2016年産
1歳募集馬近況レポート

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エステーラブの16年産

 幼い頃はお母さんの後ろに隠れて、チラッチラッと様子を窺うような子だった。この人は何をする人?自分に何か用?なんて調子で、放牧地に人が入っていくとパッと逃げる。当時はそんな敏感さを心配する声もあったが、今思えばそれは弱さや小心からくるものではなく、賢さの裏返しだったのだろう。離乳して母と別れると、自立心がメキメキと芽生え、抜群の学習能力を見せるようになった。
「人間を認めるようになり、教えたことはすぐに覚えてくれました。育成厩舎に移動してからもスムーズでしたし、人を乗せて運動する時も余計なことは一切しません。これならBTC調教に行っても大丈夫。一度覚えたことは素直に受け入れてくれるので、ゲートなどで苦労するようなこともないでしょう」(荻野豊代表)

 母の後ろにパッと隠れていた頃から動きは「キレッキレ」。その俊敏性は放牧地でも断トツに目立っており、ほんの少し目を離した隙にさっきいた位置からまったく違う場所に移動していてスタッフをビックリさせたこともあった。
「母エステーラブは芝1200mで新馬勝ちしていて、続く函館2歳S(G3)で4着。古馬になってダートに転向してからは1400mで3勝を挙げています。もともとスピードの絶対値が高いお母さんですから、その特徴をさらに引き出してくれそうなタイキシャトルを父に選びました」

 初仔ということもあって誕生当初は小柄に映ったが、雄大な馬格をもつ母の子らしく着実に成長。12月の最新計量では440sとすっかり標準サイズだ。とはいえ、もともとコンパクトにまとまった馬体は重くるしさとは無縁。乗り始めてからも動きは相変わらずキレッキレで、騎乗スタッフも乗っていて気持ちが良さそう。順調だからこそどんどんペースアップしたくなるところだが、そこは騎乗スタッフも荻野代表もグッと我慢。なぜなら、今はまだまだ成長期。牝馬の場合、冬期間はホルモンの動きが緩やかなため、春になって一気に成長してしまわないように、あえてゆとりのあるメニューを組んでいる。
「乗り運動を開始してから、お尻からトモにかけての筋肉が発達してモリモリしてきました。まだまだ大きくなる子ですし、成長ラインをなるべく緩やかに繋げるために今は大事な時期。つめ込み式ではなく、ひとつひとつ段階を踏ませてあげたいと思っています」

 もともとスピードのある馬が速い時計を出すのはじつは簡単だ。トレーニングセールで高く売りたいと思うなら、行け行けドンドン≠ナ進めるのもありだろう。しかし、成長スピードに合わせて無理のないデビュー時期を設定できるのならば、先を見据えた判断が吉。長年の経験によって培った、ビクトリーホースランチのブレない信念がそこにはある。
「牡馬と牝馬でも違うし、生まれた時期や成長スピードもその馬によって違う。基本は個々の成長に合わせること。しっかり成長させてあげて、デビュー時期を決めるのはその後です。この子は勝ち上がるイメージしかないですし、未勝利でモタつくことはまずないでしょう。そして、いつかこの子でスプリンターズSへ。そう思っています」
 なんと、なんと、荻野代表が見据えるのはデビュー時期どころか、もっともっと先の未来だった。持って生まれた俊敏性と賢さを武器にターフを沸かせる日を心待ちにしたい。

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タイキフェアレディの16年産

 将来を見据えて、こちらの女の子も焦らずゆったりの構え。タイキフェアレディの16は母によく似たダイナミックな体を持って生まれてきた。誕生時の体重は68.5s。体高があり、脚も太く、ボリューム満点の体つき。その迫力は出産を見守ったスタッフが牡馬と勘違いしそうになったほどだ。さらに、生まれてすぐに母から乳牛レベル(!)の数値を示す栄養価の高いミルクをもらっているから、健康状態は完璧。大きな器にしっかりと身を入れながら、ここまで順調に成長してきた。
「大きく生まれて、大きく育ってきています。当歳の頃から放牧地でもひと際目立つ存在感。大人びた見た目のイメージどおり、忙しなくチョコチョコと動き回るタイプではなく、周囲に流されることなくドンと構えているような子でしたね」(荻野豊代表)

 母のタイキフェアレディはカリカリした面をもっており、産駒にも少なからずそうした特徴が出ていたのだが、本馬に関しては真逆。何事にも動じない様子で、調教においても余計なことはせず、行きたがるような素振りをまったく見せないという。
「大きくてボーッとしていると言うとウドの大木≠フように思うかもしれませんが、血統背景や歴代の産駒を考えれば、黙っていてもそのうちスイッチが入る日がきます。牝馬は調教が進むとどうしてもカリカリしてきますから、今はおっとりでちょうど良い。こちらからあれこれリクエストするのではなく、馬の方から『もっと走りたい、走らせて』と伝えてきてくれるのを待てばいいのです」

 サイズに恵まれているとはいえ、心身ともに成長途上。トップスピードで走るための筋力がついていないのに無理をすれば、大きな体をただ持て余すことになってしまう。文字通り馬なり≠フペースを守って進めていくことが未来を開くカギとなる。
「この子の場合は成長スピードがゆっくり。夏競馬からガンガン使っていくというタイプではありません。ひと冬超えて、夏を迎えた頃にまた一段と成長してくるでしょうから、その時が来るまでは無理をしたくありません。大器晩成。時間をかけてその器に見合った中身を作ってあげたいと思っています」

 クッションの効いた走りは母や歴代の産駒と共通するもの。ただ、短距離で活躍した母の遺伝力が強く、過去の実績からどの種牡馬を配合しても距離を伸ばしづらいことがわかってきた。だから、本馬の時は距離適性をより生かせる配合へとチェンジ。国内に数多くいるスプリンター系種牡馬の中からあえてキンシャサノキセキを選んだのは、「スピードの絶対値が高く、それでいてサンデーサイレンス系特有のしなやかさをもっていた」から。ただ速いだけではなく、ゴール前でもうひと伸びできるパフォーマンスを期待してのことだ。
「自分の動きたいように動ける体になった時、この子は大きく変わるでしょう。人間でいえば中学生の頃は小さかったのに、高校に入ってグンと背が伸びて大変身するようなタイプ。この子の場合はもともと立派な体をしていますから、中身ができてキリッとすればスイッチが入る。その時、どうなっているか楽しみですよ」
 タイキフェアレディ16がトップスピードで駆け抜けるその日まで。進化の過程を見続ける価値は十分にある。

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マロノヴィーナスの16年産

 雷雲が空を覆い、電気の供給が時おりストップする荒天だった。暗闇の中でお産すれば、何かアクシデントがあった場合に手助けが難しくなる。「お願い、もう少し待って」。そこにいたスタッフ全員が祈るような気持ちで見守っていた。嵐が過ぎ去り、空が静けさを取り戻した翌朝、元気な姿を現したタイキサターン号の出産から一年。同じく早期に突然出産が始まり、スタッフを慌てさせたマロノヴィーナスの2016(♂、父ダンカーク)は、あっという間に誕生した。毎度お騒がせな兄弟だが、違う点があるとすれば弟である本馬の馬体は父譲りの芦毛ということ。ミルク量が豊富な母は短時間で子どもに免疫を移行し、丈夫な体を与えてくれた。
「マロノヴィーナスの子たちは皆、成長スピードが速く、大きく育ちますが、この子の場合は父の影響もあって兄姉たちと比べて体高が低め。バランスが良く、柔軟な筋肉の持ち主ですね。パワフルかつ、しなやかな動きを見せてくれています」(荻野豊代表)

 幼い頃から栄養を十分にとって、これでもかと放牧地を駆け回っていたから、基礎体力は相当なもの。9月上旬から本格的に乗り出して、ここまで順調にステップアップしてきた。調教スタッフも「背中の安定感があって、力強い走りをする」と太鼓判。すでに馬運車練習を開始しており、年内にはBTCトレーニングをスタートさせる予定だ。
「物わかりが良く、学習能力のある子です。馬運車に乗る際も一度目は抵抗しても、2度目以降はまったく問題ありません。こちらにいる間にいろんなことを経験させてあげて、できるだけ初めて≠フ事をなくして送り出してあげたいですね」(ビクトリーホースランチ調教主任)

 母系からマリアライト、クリソライト、アロンダイトといった名だたるGTホースが出ており、今ではなかなか外部に出ることのない貴重なファミリーライン。初年度産駒のタイキマロンから始まり、現2歳のタイキサターンまで、母は自身のスピードをしっかりと伝えてきたが、突き抜けるにはもうワンパンチ欲しい。そこで荻野代表が配合相手に求めたのはスタミナ≠セった。「イメージしたのは東京コースの坂を一気に上がってくる姿。そのためにはスピードだけではなく、タフな競馬に耐えられる力強さが必要です。現役時代のレースを見て、ダンカークにはそれがあると感じた」。
実は、荻野代表と米種牡馬ダンカークとの出会いは約6年前に遡る。アメリカケンタッキー州にあるアシュフォードスタッド(クールモア所有)を訪れた際、その年に導入された新種牡馬ラインナップの中にいたのが同馬だった。
「へえ、これがベルモントS2着馬か」
当時、種牡馬入りして1年目だった同馬の体はまだまだ競走馬然としていたが、その豊富な骨量としなやかな筋肉。凛とした立ち姿は荻野代表の記憶にしっかりと刻まれていた。

 それから月日は流れ、同馬は13年北米ファーストシーズンチャンピオンサイアーの称号を獲得。日本に導入された2015年、再び目の前に現れたダンカークはすっかり種牡馬らしい貫禄ある体つきになっていた。「この馬とは縁がある。よし、決めた」。
 供用初年度から150頭を超える配合相手を迎えたダンカークの産駒は、その出来栄えの良さから市場で高い評価を受けた。体質が丈夫なこと、筋肉量が豊富なこと。また、将来的に芝・ダート不問の活躍が期待できること。マロノヴィーナス16もそのイメージが当てはまる。キビキビと前向きさを感じる走りは母からスピード能力を受け継いでいる証拠。歴代の産駒と比べても肉厚な筋肉はスタミナの源となるだろう。
一気に坂を駆け上がった先には……この続きはほんの少し先の未来にある。

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タイキエイワンの16年産

 母体のケアをしていた牧場スタッフの目の前で、タイキエイワンの2016(♀、父ヴィクトワールピサ)は脚を震わせながら立ち上がった。
「えっ、もう!?」
 それは出産からわずか25分後の出来事だった。競走馬は誕生時、立ち上がるまで平均60分と言われているから、その半分以下。スタッフが驚いたのも無理はない。
「もちろん個体差はありますが、だいたい早い馬でも30分ほどはかかるもの。さすがにまだだろうと油断していました(笑)」
 持って生まれた体幹の強さか、はたまた母譲りの気持ちの強さか。とにかく超元気≠ネ女の子が誕生した瞬間だった。幼い頃から現在に至るまで、群れにおいてはいつも一番でなければ納得しない。スタッフが他の馬を構っていると、ドカドカと寄って行って蹴散らした上で『もっと私に触ってよ』と要求する。生粋の女王様タイプだ。
 負けん気が強く、イヤリング時代から運動量は同世代の中で一、二。放牧地をずっと駆け回っているものだから、馬房に戻れば疲れ果てて眠ってばかりいた。しかし、それだけ動いてもカイバはモリモリと食べるから、回復も早い。再び放牧時間がくれば元気一杯に駆け出すのだった。そんな日々をコツコツと積み重ね、タイキエイワン16はまたも皆を驚かせることになる。

 16年度生まれの若駒たちが次々に馴致を終え、600mのウッドチップコースに出るようになったある日。荻野豊代表の目に映ったのは、トレーニング中の休養3歳馬の後ろをひたむきについて行く1歳牝馬の姿だった。乗り始めたばかりでこれだけの運動量をこなし、重心のブレがない動きは惚れ惚れするほど。遠目でもすぐにピンときた。この時期の1歳馬でそんな走りができるのはあの馬しかいない、タイキエイワン16だ。
「本当に大丈夫なのかな、と思って見ていたのだけど、3歳馬相手にまったく置かれることなく一緒に走れたことだけでまず驚き。まあ、さすがにバテるだろうと見守っていたのですが、全くバテないどころか、むしろもっと速く走りたいという感じで疲れを知りません。それに、ズバ抜けてしなやかな走りをしますからね。ああ、この子は当たりだ、と確信しました」

  母タイキエイワンは中央3勝馬で本馬は2番仔。祖母ヤエノジョオーは中央7勝馬で、重賞2着。コンスタントに活躍馬を送る堅実なファミリーラインだ。配合時、荻野代表が意識したのは芝で活躍した母の持ち味を最大限に生かすこと。そして、「牝馬ならこの血脈を伝えていく後継馬に」という想いもあった。
「ヴィクトワールピサの馬体は父ネオユニヴァースよりも競走馬として完成しており、芯がしっかりしている。良い意味で緩さをもつ産駒が多いのも好印象でした」
この母系とSS系種牡馬との相性の良さは叔父タイキパーシヴァル(5勝)の活躍で証明済み。幼い頃から誰よりも動き、一番にこだわり続けてきた同馬。この先はライバルたちを蹴散らして、先頭でゴールインを目指すのみである。

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タイキキララの16年産

 幼い頃はこれでもか、と放牧地を縦横無尽に駆け回るやんちゃ坊主≠セった。同場の繁殖牝馬の中でも若く、まだまだ元気な母の背中を懸命に追いかけるうちに、基礎体力は日増しにアップ。同世代の中でもひと際目立つ筋肉量豊富なトモは、そんな毎日を過ごした賜物なのかもしれない。 日高山脈にうっすらと雪化粧が施され、秋深まる10月某日。タイキキララの16(♂、父ディープブリランテ)は競走馬としてデビューするための第一歩を順調に踏み出していた。
「ここまで順調に成長してきましたので、8月にイヤリング(中期育成)から移動して、9月9日から馴致をスタートさせています。素直な馬で、余計なことは一切しませんからね。すんなりと馴致を終えて、始めて3日後には人を乗せて周回コースに出ることができました」(ビクトリーホースランチ育成主任)

 かつてスタッフの誰もがやんちゃ坊主≠ニ呼んだ当歳馬はいつの日か、何事にも動じない強い心をもつようになっていた。初めての鞍置き、ロンギ場入りを難なくクリアし、人間の意図をしっかり受け取ってくれるため操作性もすこぶる良好だ。気持ちの成熟度合に合わせるように馬体も成長して、10月中旬時点で馬体重は468キロ。もともと骨量豊富で馬格に恵まれていたが、ここにきて体高も伸びて、見栄えは一段と良くなった。 「馴致開始から1週間で1800mのキャンターをこなして、うちの1歳馬の中でも最も進んだ組にいます。走ることに対して前向きな性格は幼い頃から変わらず。それでいてスタッフの指示には素直に従ってくれます。母系の特徴から成長曲線はゆったりとしたカーブを描いていくことになるのでしょうが、現時点でもパワフルさを感じますし、スピードもありそうですよ」(育成主任)

 父ディープブリランテは2016年総合&JRAファーストシーズンサイアーランキング3位。初年度産駒からセダブリランテス(17年GVラジオNIKKEI賞)を送り、成功種牡馬への道を歩み始めている。母タイキキララとの配合を決定する際、荻野豊代表が意識したのは、ずばり「Haloの4×4」。このクロスを作るためにSS系種牡馬のトップを走るディープインパクトの血を求めるのは当然のこと。2月の種牡馬展示会で実馬の状態をしっかりと見極めたうえで、ディープインパクト産駒の中でもとくにスピード能力に秀でた本馬に白羽の矢を立てたのだ。
「初年度産駒のレースぶりを見ても父のスピードが伝わっているのがわかります。この母系はどんな馬をつけてもコロンとした体型で出てくる。本馬も現時点では姉フェリーチェ同様、母によく似ていますが、可動域の広さや豊富な筋肉量、バネを感じさせる動きは父譲りのものでしょう」(荻野代表)
 本格的にペースアップしていくために、今はじっくりと体力強化を図る日々。年内にはBTC(日高競走馬育成センター)での調教に入る予定だ。世代屈指のやんちゃ坊主≠ヘどんな競走馬へと変身を遂げるのか。春の再会を楽しみに待ちたい。

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タイキラナキラの16年産

 トップホースの幼少期を振り返った時、困ったことにスタッフの記憶に残っていないということがじつは多い。ただ、それは決して『平凡な馬だったから』ということではない。人の印象に残っていないというのはイコール、『何も問題のない馬だったから』である。
 タイキラナキラ16(♂、父ストロングリターン)には、今のところ個性的なエピソードがひとつもない。生まれてからここまでスクスクと育ち、どの時点においても手が掛からない優等生として過ごしてきたからだ。大きなケガを負ったこともなければ、環境が変わってもストレスを溜めるところがなく、カイバもよく食べた。5月生まれにも関わらず馴致スタートの時期が早かったのは、目立たず騒がず、順調に成長してこられた証だ。

「9月6日から馴致を始めて、この子も1週間ほどで周回コースで1800mを乗れるようになりました。おっとりした性格で変な癖もなく、誰が乗っても大丈夫。見慣れない人や物が目に入っても動揺することなく、スッと受け入れる寛容さがありますね」(育成主任)
 首差しが長い分、一見すると細身のラインに映るが、10月中旬時点で馬体重は486キロ。これまでバランスを崩すことなく成長できており、体全体に必要な筋肉がしっかりと付いているのがわかる。動かしても重心のブレがなく、背中の安定感は他の同世代と比べても一、二を争うレベルだ。 「ビクトリーホースランチのロンギ場はウッドチップが深く、まだ力のない1歳馬だと脚をとられて動作が鈍りがちですが、この子の場合は最初からスッスッと身軽に動くことができました。それだけ動きに無理がなく、バランスが取れているということでしょう」(育成主任)

 背腰がしっかりしていて、力が体全体に行き渡るからこそ、立ち姿もピタリと決まる。1歳馬とは思えない格好良いシルエットもカタログの立ち写真を見比べてみて納得。安田記念を日本レコードで制した父ストロングリターンのそれに良く似ているのだ。父の初年度産駒は今年デビューして中央・地方で続々と勝ち上がっており、芝ダート不問のスピードが持ち味。コストパフォーマンスの良さから産地での人気も上昇中で、供用4年目となる2017年度は前年に続いて120頭を超える種付けを行った。供用2年目に母タイキラナキラとの配合を決めた理由について荻野代表は「ミスプロの4×4が作れること。短距離一辺倒ではないレースぶりに魅力を感じた」と語る。特に、前年の種牡馬展示会で馬体の良さが目を引いたことも決断を後押しした。
「期待どおり、なかなかの出来栄えでしょう。首差しのラインは父譲り。動かしてもバランスが本当に良くて、目を引きます。今年のセリに出してもそれなりの値段がついたレベルでしょうしね、うーん、お手頃価格ですね(笑)」
 にこやかに笑いながらも目はちょっぴり本気の荻野代表。後悔先に立たず、というしかないわけだが、本当に代表が後悔するのは、本馬がデビューした後(?)かもしれない。忘れずに記憶にとどめておきたい1頭となった。

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